法人向け印鑑には登記印、銀行印、角印の三種が必要になります。
会社の登記印は18ミリ丸でお彫りします。外周に法人名、内周に役職名を入れます。社長のお名前などの個人名は、基本的にはいれません。ゴーイング・コンサーンで会社は継続するものなので、代がかわっても使えるようにとのことです。会社設立時に必ず必要なもので、法務局出張所に登録して、印鑑証明の印鑑になります。いわば会社の実印です。
不思議な事に印刻されている内容は法務局の審査対象ではなく、例えば合同会社では代表が代表社員という名称ですが、当店では代表権を持ってるという意味あいで内周を代表之印とする場合が多いです。
契約書等他の法人と印鑑をならべて押す事が多く、小さいと相手より引くというイメージになってしまいますので標準の18ミリが最適です。
不動産業など印鑑証明書の必要がない契約書にたくさん捺印をする会社は、書体を変えて別に18ミリで契約の印を作る事が多いです。
また中国の会社と取引のある会社は、相手の印鑑が大きいので、21ミリのひと回り大きい印鑑を作る事があります。詳しくはお問い合わせ下さい。
法人の銀行印は登記印より一回り小さい16.5ミリ丸でお彫りします。外周に法人名、内周に役職名、または銀行之印と入れます。
以前は、登記印を銀行印と併用する会社もありましたが、登記印と銀行印を分けるよう指導する銀行も多くなってきました。安全面あるいは、無くしてしまった時の手続きを考えても、登記印と銀行印の併用は避けた方が良いでしょう。内周を銀行之印としてしまうと、用途が限定されしまいますので、当店では銀行印も役職名をオススメしています。
角印は21ミリ角でお彫りします。会社の認め印で領収書、請求書、納品書等に押します。
18ミリ角、24ミリ角をご希望の方はお問い合わせ下さい。
登記印、銀行印の形状には、キャップがあり、上のしるしが付いた天丸と何もしるしのない無地丸棒があります。
通常、篆書体では天丸を使用し、印相体では丸棒を使用しますが、どの書体でも、どちらの形状も選択可能です。ご希望がありましたら、オーダーフォームのコメント欄に記載下さい。実用性をとると天丸、縁起をとると丸棒になります。
角印の形状、くぼみがあり、上のしるしの付いた角天と何もしるしのない角丸ズンドウがあります。
通常、篆書体では角天を使用し、印相体では角丸ズンドウを使用します。どの書体でも、どちらの形状も選択可能です。ご希望がありましたら、オーダーフォームのコメント欄に記載下さい。実用性をとると角天、縁起をとると角丸ズンドウになります。
※ 印材の形状は左からそれぞれ、丸棒(細)、丸棒、天丸、角天、角丸ズンドウとなります。
1. 象牙
アフリカ諸国は、象を保護するためにお金が必要です。保護するための資金を得ることを主目的に、現在も数年に一度、政府公認で象牙が取引されています。
耐久性、重量感、質感、朱肉となじみが良く印影が鮮明性、どれをとっても最高の印材です。
使っていくうちに朱肉を吸い上げて行くことから、運を吸い上げるといいます。但し、これは、芯の近くの芯に沿って加工された、象牙の「上」以上についてです。
(象牙のランクは印材屋さんによって表現が違います)
当店では、「上上」と呼ばれているランクのものを使用しています。
「目無し」という目が詰まっていて、目がないように見える特別象牙もご用意できます。ご希望の方は、納期、価格をお問い合わせ下さい。
象牙の並以下は、目が荒いので耐久性もなく、彫りにくいため当店では使用しません。
2. 牛角白(うしつのしろ)
オーストラリア産の若年牛の角。最初に、オランダ経由で入ってきったため、オランダ水牛と言われていました。
簡単にいうとオージービーフで、お肉や皮がメインで、角は副産物。
アメ色のものが一番良いとされています。1本ずつ、色合いが違うのも魅力です。
捺印性が優れています。彫りやすいです。
3. 黒水牛
インドの水牛の角を、樹脂を加えて真っ黒く染めたもの。
本柘に比べて、重さがあるぶん、押しやすさがあります。
角系の印材は、朱肉の油に強く、植物性の印材より強さがあります。
4. 本柘(ほんつげ)
御蔵島線の本柘。植物性の印材として、古くから使用されていたもの。
朱肉の油分を吸ってしまうと、硬くしまり過ぎて、弾力がなくなり、弱くなっていきます。
捺印の際に、はんこを朱肉にべちゃっと押し付けないことと、使用後、すぐに印面を拭いておくことを心がけて下さい。
代表登記印、銀行印の印相体では、内周を上昇印相体にすることも可能です。
ご希望の方は、コメント欄でご記入下さい
法人用登記印書体見本
A: 外周会社名:篆書体 - 内周役職名:篆書体 2行
一番標準的なものです。3行で役職名を入れるより2行で入れた方が、印影が大きくみえます。
瓢箪形でキャップ(サヤ)付きにお彫ります。
B: 外周会社名:印相体 - 内周役職名:印相体 2行
無地の丸棒にお彫りします。サヤ無し。
C: 外周:篆書体 - 内周:上昇印相体 2行
お客様からの要望で始めたものです。他店では、あまりこの様には、彫っていないようです。
D: 外周:篆書体 - 内周:篆古印体
初代から受け継いだものです。篆古印体とは、篆書と古印体を混ぜたものです。
本当の職人は、このように書体を混ぜることができます。
* オリジナル書体ですので、他店では注文できません。
法人用銀行印書体見本
E: 外周会社名:篆書体 - 内周役職名:古印体 2行
もっとも一般的です。登記印と違う書体にした方が区別が付きやすく良いでしょう。
瓢箪形でキャップ(サヤ)付きにお彫ります。
F: 外周会社名:篆書体 - 内周役職名:篆書体
代表取締役と入れる場合は、区別がつきやすいように 3行にします。
瓢箪形でキャップ(サヤ)付きにお彫ります。
G: 外周会社名:印相体 - 内周役職名:印相体
代表取締役と入れる場合は、区別がつきやすいように 3行にします。
無地の丸棒にお彫りします。サヤ無し。
H: 外周:篆書体 - 内周:上昇印相体
法人名はスッキリと役職名は上向きにして発展を願う書体です。
* オリジナル書体ですので、他店では注文できません。
法人用角印書体見本
I: 篆書体
枠を太く、中の字は細くし、そのコントラストで美しい印鑑に仕上がります。もっとも一般的です。「印」、「之印」は、バランスで入れます。
上にしるしがあり、くびれのある印材に彫ります。(角天)
J: 印相体
印相体は角丸のズンドウ(何もしるしがない棒状)に彫ります。
篆書体とは、逆に中の字が太く、枠が細い事で綺麗に仕上がります。